8.生と死の狭間で −2

「何!?」カミラの脳裏にも前回のミッションで遭遇したあの『手』が瞬時にフラッシュバックした。

「ティム、回避!」「ムリです!」

インナーチャイルドを吊り上げている<アマテラス>は姿勢制御が精一杯の状態だ。

警報が 鳴り響きモニターを警告灯が赤く染めてゆく。その『手』は<アマテラス>の両側面から迫り、その様子がモニターにもはっきりと映し出される。

「来ます!!」サニが悲痛な叫びをあげる。

「くっ!」カミラもモニターを睨みつけるのが精一杯で指示も出せない。

反射的に目を閉じて身構えるインナーノーツ。

やられた…。皆がそう思った瞬間、ブリッジはフンワリとした暖かな温もりに包まれる。

「…?ど…どうなってんの?」目を開けたサニは予想外の光景に目が点になっていた。

全てのモニター類は黄白色の柔らかな光彩に彩られ、各席のPSI-Linkシステムモジュールが暖かな光を放っている。

ブリッジ中央のマルチ投影ホログラムが反応し、丸みのある像を映し出す。

「赤ちゃん…?…インナーチャイルドなの…?」

目の前に現れたホログラムに驚きを露わにするカミラ。何かを求めるように腕を伸ばしている。

「同調率が飛躍している…70…80…90%を超えるぞ!」

アランも同調率の急増に驚きの声をあげる。

「この船自体がインナーチャイルドと一体化している…」

カミラの目は、前の赤ん坊を慈しむような目に変わっている。
その映像の赤ん坊は、以前遭遇した『サラマンダー』の面影は無く、引き揚げかけた消し炭のような塊でもなかった。

思わずその映像にカミラが手を伸ばした瞬間…。

赤ん坊は何かに怯えるように身を捩り始める。それと同時に船体が大きく揺れ始めた。

…!

ゾワ…ゾワ…

直人はPSI-Linkモジュールから逆流して来る凍りつくような気配を僅かに感じ取った。

…亜夢!…

<アマテラス>とインナーチャイルドをここに叩き落としたあの気配…

…来る!…

「隊長!時空間転移を!」

「ナオ?」直人の焦り混じりの声音にカミラは一時の安穏から引き戻された。
次の瞬間、サニのレーダーにも新たな反応を示す警告アラームが表示される。

「<アマテラス>上空にも新たな収束反応!直撃コースです!!接触まであと20秒!」

「急いで!!」直人は切羽詰まる声で更に具申した。

「アラン!?」

「この同調率だ、すぐに行けるぞ!」

「緊急転移!!」カミラの発令と共にアランが時空間転移をスタートする。

ブリッジのモニターの像が捻じ曲がり、急速に空間移動の様相を映し出す。

モニターの中を巨大な水柱のようなものが突き進んで行くのが見えた。間一髪、<アマテラス>はその直撃を逃れたようだ。

しかし、その衝撃波は時空間転移中の<アマテラス>の船体にも軋みをもたらし、ブリッジにも振動となってインナーノーツを揺さぶる。

乱れ始めたホログラムのインナーチャイルドは、何かにしがみ付こうと必死にもがく。

…大丈夫、オレ達が必ず!…

直人はPSI-Linkモジュールを強く握りしめながらインナーチャイルドへ呼びかける。

…おいで!…

そう語りかけると、直人は心象に浮かぶインナーチャイルドを心の中でそっと抱き寄せた。

生身の赤子のような温もりを全身に感じる直人。
<アマテラス>は嵐の海の只中にあるかの如く揺さぶられていた。直人はその子を離すまいと一層力強く抱きしめる。

「動き出しましたね、所長…」

「うむ…。」

IMCの大型モニターに映し出された大渦の図表にも変化が現れ始めた。
大渦を形成する外縁部の一角が、原始の惑星を形作るかのように、徐々に一つの塊を形成し始めている。

「彼らでしょうか?」東はそれが、インナーノーツの脱出によるものではと結論を急ぐ。

藤川は黙ったまま、モニターの動きを追い続ける。

「表層無意識域に波動収束反応!!これは…<アマテラス>です!<アマテラス>のシグナル確認!」

田中が満面の喜びを浮かべながら声を弾ませて報告する。

「よし!」東はその報告に思わず拳を握りしめ、小さくガッツポーズをとる。

アイリーン、真世、そしてモニター越しの貴美子にも笑顔が戻った。

…よかった…

真世は心の中で安堵のつぶやきを漏らす。

「現在位置、誘導ビーコン送信座標を起点に相対座標4-2-1!」田中が続ける。

「<アマテラス>との通信はどうだ?」一刻も早く状況を確認したい東。

「空間中のPSIパルスが乱れています。通信回復までしばらくお待ちください。」アイリーンは通信確立を試みながら返答する。

藤川も自席から立ち上がり、卓状モニターに視線を落とした。

「東くん、モニターを心象ビジュアルに切り替えてくれ。」

「はい。」東が応じると、図表プロットの渦に色彩と質感が吹き込まれ、命を得た生き物のように蠢く時空間の様相を描き出していく。

先程から現れ始めた塊はさらに肥大化していくき、ほのかな赤みがかった黄白色の発光を示し始め、ゆっくりと明滅を繰り返す。「うぅむ…」その周期は亜夢の鼓動(卓状モニターにはバイタル測定のグラフも表示されている)と完全に一致している事に、藤川はすぐに気づいた。

光の中に<アマテラス>らしき影が見えるがまだ判然としない。

刻一刻と風景は移り変わっていく。
藤川はしばらくその変化を観察していた。

「…ん?見たまえ、東くん。」藤川の促しに東も卓状モニターを覗き込む。

「こ…これは!所長!?」東の驚きの声に他の3人のオペレーター達も思わず立ち上がり、卓状モニターを覗き込んだ。

「割れている…心が…二つに?」真世が手を口元にあてながら呟く。

新しく生まれた塊を核とする渦の一角が、渦の回転による遠心力に従うかのように徐々に分裂し始めていた。

分裂した新たな暖かな発光を伴うエネルギー流の塊と、先程まで表層を占めていた仄暗い水流の塊はそれぞれがまた小さな渦を巻き、二つ巴を形作りながら、ゆっくりと回転している。
回転が進む度に両者は、中央の目となっている時空間断層ホールを境に別れていく。

「先程までの時空間断層もこの分裂の始まりだったのか…。」

「うむ…。」藤川は短く同意する。無意識の分裂、それが時空間断層を作り、今やその断層から亜夢の心象世界は二つに引き裂かれつつあった。

「東くん…もしかすると我々は検討違いをしていたかもしれん…。」

「ナオ!誘導パルス放射機格納急いで。」
「ティム!流れに抗っても無意味よ。上手く波に乗せてちょうだい!」

「了解!」

「サニは現時空座標の特定!アラン、IMCとの通信回復は!?」

何とか表層無意識域に戻って来られた<アマテラス>ではあったが、そこは元の凪いだ海の面影はない。雷鳴が轟き、高波が荒れ狂う嵐の海の真っ只中である。<アマテラス>はその海面に時空間転移明けし、さながら波に揉まれる小船の如く漂っている。海面と言えど、心象世界の現象であり、<アマテラス>は表層の第3PSI バリアを制御する事で海面に対し浮力を得ているが、局所的な時空間変動である波の揺さぶりは物理量となって<アマテラス>に襲いかかってくる。

「ぐぇぇ…自動ハーモナイズ、どうなってんのよ、もう!」

「フツーの船に乗ったことねぇのかよ!サニ!」酔いが回り、時空間跳躍時の精神撹乱の影響を疑うサニにティムは巧みに波を乗りこなしながら、粗っぽく応じた。

「でもこのままでは船が危ないわね…。ティム、波を利用してそのままジャンプ。離水する!」

「くっ!無茶振り了解!」高度な操船技術の要求にティムは悪態付きながらも、そのチャンスを窺う。

ティムは操縦桿のPSI-Linkモジュールに指先の神経を集中させ、波の動きを感じ取る。

何度か波を掻い潜ると、船尾の方から突き上げるようなうねりをティムは操縦桿に感じ取った。

「行くぞ!」機関の出力を上げ、タイミングを計って一気に操縦桿を引く。
ググッと押し上げられる感触の後、船体が軽くなったかのような揚力を得た<アマテラス>は嵐の海から飛翔した。

しかし大気状の空間も暴風雨が荒れ狂い、飛び立った<アマテラス>を再び海面の波間に叩き落とそうとする。

「高度600まで上昇!量子スタビライザー起動!」

<アマテラス>の4枚の翼が煌めき、船体の安定を回復させると<アマテラス>はそのまま上昇を続ける。

「…ザザ…こえるか…マテラス…」

アランの操作する通信機から聞き慣れた声音が漏れ聞こえてくる。

「IMCとのコンタクト回復!メインに投影する。」アランは通信映像をブリッジのメインモニターに映し出す。

そこにはIMCスタッフらの安堵の顔が並んでいた。

「みんな、無事か!?」東が呼びかけてくる。

「はい!船酔いが若干一名いますが…」カミラはぐったりしているサニの方へチラッと視線を送りながら応えた。

「船酔い?…まあとにかく無事で何よりだ。」

「IMCの誘導に助けられました。インナーチャイルドも何とか保護しました。」

カミラがインナーチャイルドのホログラム映像のデータをIMCに送信すると、卓状モニターの上に同じ映像が浮かび上がる。

赤ん坊の映像に真世、アイリーン、田中は思わず顔を綻ばせた。

「これが、あの『サラマンダー』なのか…。」<アマテラス>の記録から『サラマンダー』の解析を行った東は驚きの眼差しで映像を見つめる。

「かわいい…。」「ええ…。」アイリーンと真世から溜め息混じりの言葉が漏れる。

「おそらく、この子が本来の『亜夢』だ。」

「えっ!?」その赤児の映像をじっと見据え、静かに口を開いた藤川の意外な言葉にIMCのスタッフのみならず、卓状モニターの通信ウィンドウに映し出されているインナーノーツ一同も驚きを隠せない。

たった一人、直人を除いて…

「どういう事です、所長!?」カミラが皆の疑問を口に出す。

「確証はない…だが、生体パルスとの同期性の高さからみて、インナーチャイルドは魂の一部どころか『亜夢』そのもの…いわゆる『セルフ』であろう。」

「そしてこの心象風景…」

「深層の奥底にいた『セルフ』が表層に上がったところで表層の無意識が交わる事なく乖離している…つまり、表層無意識を支配していた存在と深層の魂は異質な存在…」

藤川は厳しいまなざしでなおも渦を巻きながら蠢く二つ巴の心象風景を睨む。一段と赤みを帯びてくる新たに生まれ出た巴。反対に元の仄暗い水流も同様に巴を形作る。

その様相は相剋し合う炎と水のようでもある。

「所長…それでは表層無意識に居たのは一体…」カミラが呟くように問う。その右手はまたもジャケットの上から何かを握りしめていた。

「もう一人いる…亜夢の中にもう一人の魂が…」

一人呟く直人は亜夢との感応で聴いた「もう一人」の何者かの声を思い返していた。

…死してのみ生きる…

冷徹なあの声が脳裏をよぎる。

その刹那、サニのレーダーに再び警告を示すアラームが立ち上がる。

「うぇ…今度は何よ…」

「!」気怠そうに身を起こしたサニは、目を丸くする。その強力な反応に、一瞬にして船酔いを忘れた。

「<アマテラス>右舷!海面に巨大な波動収束反応!!」

サニが叫ぶや否や、ブリッジ右側面のモニターに映し出された海面が、波を押し上げながら隆起する。その盛り上がりに引き揚げられるのように、<アマテラス>の下方の水面も持ち上げられていく。高波が荒れ狂い滞空している<アマテラス>にも襲い来る。

「取舵90!上昇反転!」

<アマテラス>は高波を避けながら回避、更に上昇する。

その様子は上空から俯瞰したようにモニタリングしているIMCの卓状モニターにもはっきりと現れた。

二つ巴の片方、仄暗い青の巴を成す渦が、その回転を速めている。その渦の中央が巴の尾部を巻き上げながら、渦の中央に激しい上昇水流と、急速に発達する雨雲を生み出していた。
その光景はまさに爆弾低気圧。藤川らIMCの面々は、目を見張るばかりである。

<アマテラス>は、急速に発達するその『低気圧』から逃れるように距離をとりながら、飛翔を続ける。それに伴って、もう片方の赤みを帯びたほの明るい巴が、仄暗い青の巴が生み出す雲の中から浮かび上がってくる。ほの明るい巴の中核がいまや『セルフ』と一体となった<アマテラス>なのだ。

…なぜ…生きようとする…

直人の心に「もう一人」のあの声が木霊する。

PSI-Linkモジュールを通して、今や<アマテラス>とほぼ一体となっている、亜夢の魂が打ち震えているのを直人は感じた。

…お前は誰なんだ?…お前は…

直人は自身の心に問いかけていた。
その答えをまるで思い出そうとするかのように…。

「真世、インナーチャイルド、いや『セルフ』の生体側の受け入れポイントは特定できているか?」

「え…ええ。」モニターに見入っていた真世は、藤川の不意の確認に戸惑いながら解析結果をモニターに投影する。

「おばあちゃんがいうには、やはり最初のミッションでインナーチャイルドの反応が顕著だった子宮のあたりに誘導するのがベストだと…。」

「うむ…。田中くん、至急、無意識域の該当座標を割り出してくれ。」

「了解しました。」田中は自分の席に戻ると、即座に作業を始める。

「おじいちゃん、もしかしてこれって…この子の生まれる前の…」

臨床心理士でもある真世は、生体の反応と心象風景から推察する。

「胎内記憶…か?」「ええ。」

「施設を転々とした為か、亜夢の出生の記録はほとんど散逸してますからね…。」

腕を組みながら東は、藤川に調べてみる価値はありそうだと促す。

「ま…マジ!?」不意に田中が声をあげた。

「どうした、田中?」

「該当座標特定…できましたが…」

田中の顔に躊躇の色が浮かぶ。

「何ですって!?」カミラは動揺と抵抗の入り混じった声音で声を張り上げた。

「危険なのは百も承知だ。だが、生体とのコネクション座標は『低気圧』の内部を示している。亜夢を救うにはあの『低気圧』の中心に飛び込んでもらうほかない…。」

<アマテラス>ブリッジのメインモニターに映し出されている東は、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべながら、苛酷な指令を伝えていた。

「簡単じゃん!時空間転移でピョイインと…」サニが手振りでその様子を見せながら、あっけらかんとした口調で提案した。

「『低気圧』は常に移動している上に、この水流と気流では転移先座標情報が転移中に撹乱されてしまう。それこそ危険だ。」東はサニの提案を退ける。

「んー、じゃ同調率を落として波動フィールド内の現象化を弱めるとかぁ…?」

「ダメだ!そんなことしたら「この子」はまたあそこに落ちる!もう助からないよ!」

サニが最初のミッションでカミラがとった危機回避策を思い出し、ぼんやり口にしたアイディアを今度は直人が強い口調で却下した。

亜夢の「セルフ」は<アマテラス>と一体となっていることで、かろうじてこの荒れ狂う表層無意識域に留まっていられるのだ。
同時に<アマテラス>の周辺に広がる心象世界は「セルフ」が感じ取っている世界でもあり、「セルフ」との同調によって波動フィールド内に現象化したものである。
「セルフ」との同調を抑えれば、確かに<アマテラス>が心象世界から受ける影響は少なくなるが、それは同時にこの嵐の中でかろうじて「セルフ」を繋ぎ止めた命綱の結び目を緩めるような行為に等しい。

「…だよね〜」サニは溜め息混じりに呟くと視線を宙に浮かせる。

「かといって正面突破?そいつも無茶な話だぜ。」吹き荒れる暴風に吹き飛ばされないよう、船を懸命に維持しながら、ティムは悪態めいた口調で言い放つ。それはパイロットとしての的確な判断であった。

「ティムのいうとおり…正面からぶち当たったのではそもそも<アマテラス>の船体は持ちません…いったいどうすれば…」カミラが不安げに問う。
沈黙に包まれるIMCと<アマテラス>のブリッジ。その問いに皆口を閉ざした。

その間にも爆弾低気圧状のエネルギーの渦は勢力を増し、<アマテラス>も荒れ狂う風雨に態勢を維持するのがやっとであった。

「海へ潜るのだよ。」

いっ時の静寂を藤川の言葉が打ち砕く。

「しょ…所長、それはどういう…」

<アマテラス>は暴風によって巻き起される荒波の海からやっと脱出したばかりだ。東は藤川の思惑を図りかねていた。

「もし、この心象世界の海が自然の海と同等であるなら、荒波は海面のみ…海中は比較的穏やかなはずだ。」

暴風による高波の影響が少ない深度まで潜航し『低気圧』に接近。その中心で海上に出る。そのまま上昇気流に乗って特定された生体とのコネクション座標に到達、そこで亜夢のセルフと生体の同調確立を試みる。

「…しかし所長。海中の状況はまるで掴めていません。よもや海中も…。」東はリスクを指摘せずにはいられない。

「他に良い手があるかね?」藤川は穏やかな口調の中に静かな覚悟を忍ばせる。

東はそれ以上、言葉は出なかった。<アマテラス>のブリッジを映し出している通信ウィンドウに向き直る。

「…インナーノーツ。聞いた通りだ。やってくれるか?」東が生硬い表情のままインナーノーツに問う。

海中を進む…確かにそれが一番最良の策ではありそうだ。だが、かろうじて脱出できた時空間断層といい、このミッションをこのまま継続するのは、危険が大き過ぎるのではないだろうか…隊員達を無闇に危険には晒せない…カミラは、東への返答を渋る。

「隊長!」

力強い声音にカミラは顔を上げた。
振り向いてカミラを促したのは直人。意志の灯る強い眼差しがカミラを見据えている。

カミラは直人のその強い意志に圧倒された。
普段はどこか他人と距離を置き、心の内を明かすことのない直人が必死に亜夢を救おうとしている…何がそこまで直人を突き動かすのだろうか…。カミラは不思議にすら感じた。

「やるも何も、やるっきゃないっしょ。」

「ティム、上手いこと潜ってよね。波は嫌いよ。」「はは、酔いたくなけりゃ、突入時の海面トレース抜かりなく。」

「ティム、サニ…。」直人の気概に便乗したティムとサニは、着々と次の行動の準備を始めた。

「センパイが珍しくやる気だもんねぇ〜。付き合いますって。」そう口にしながら彼女の方へ振り向いた直人に目配せする。彼女なりの覚悟を直人に伝えた。
すぐにレーダー盤に向き直り、海面の波のトレースを開始、突入ルートの選定に入る。「『この子』だって。ふふ、なんか面白いもの見れそうだし。」何を考えたのか、ひとりほくそ笑むサニ。

「前に使ったシールドも、改良してシステムに組み込んでいる。『セルフ』との同調さえ保てれば、 そう簡単に沈みはしないさ、カミラ。」アランも若手3人の意志を後押しする。

「アラン…。」カミラの口元から小さな笑みがこぼれる。

「まったく、こういう時だけは結束するんだから…。」

カミラは顔を上げ、正面のモニターに映る東を見据えた。

「チーフ!<アマテラス>はこれより目標『低気圧』の中心への突入を敢行します!サポートをお願いします。」

「うむ…突入から帰還まで全面的にバックアップする。」

「必ず、生きて戻れ!」

「了解!」

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